古着で叶える「大人きれいめ」オフィススタイル:一点物を着こなす着回し術
古着に興味はあるものの、「オフィスで着ていくには難しそう」「一点物だと着回しが利かないのでは」と感じ、購入に踏み切れない方もいらっしゃるかもしれません。特に、普段のファッションに個性を加えたいけれど、失敗は避けたいというお気持ちはよく理解できます。
Furu-Fuku Compassでは、古着初心者の方々が抱えるこのような疑問や不安を解消し、一点物の古着をオフィスでも活躍する「大人きれいめ」なスタイルとして、安心して取り入れるための具体的な方法をご紹介します。古着ならではの魅力を生かしつつ、品良く着回すためのポイントを解説しますので、ぜひご自身のワードローブに古着を加えてみてください。
大人きれいめ古着を選ぶ3つの視点
オフィスで着用する古着を選ぶ際には、普段のカジュアルな古着選びとは異なる視点が必要です。以下の3つのポイントを意識することで、上品かつ洗練された印象の一点物を見つけやすくなります。
1. 素材感で選ぶ
古着の素材は、そのアイテムが持つ「きちんと感」を左右する重要な要素です。 * 上品な天然素材: ウール、リネン、上質なコットン、シルクなどは、自然な光沢やしなやかさがあり、きちんとした印象を与えやすい素材です。特に、目の詰まったウール素材のブラウスや、落ち感のあるシルクのスカートなどは、オフィススタイルに最適です。 * ポリエステル混紡: シワになりにくく、手入れがしやすいポリエステル混紡素材のアイテムも、オフィスで活躍します。光沢が控えめなものや、とろみのある質感を選ぶと、より上品に見えます。 逆に、過度にウォッシュ加工されたデニムや、毛羽立ちが目立つフリース素材などは、オフィスには不向きな場合があります。
2. デザインとシルエットで選ぶ
古着のデザインは多種多様ですが、オフィス向けには普遍的でシンプルなデザインを選ぶことが基本です。 * ベーシックカラーと柄: ベージュ、ネイビー、グレー、白、黒などのベーシックカラーは着回し力が高く、オフィスに馴染みやすいでしょう。柄物を選ぶ場合は、ストライプ、細かなチェック、控えめな小紋柄など、派手すぎないものを選びます。 * きれいめなシルエット: ジャストフィット、または適度にゆとりのあるきれいめなシルエットを選ぶことが重要です。オーバーサイズのものでも、肩のラインが落ちすぎず、全体のバランスが崩れないものを選びましょう。例えば、Aラインスカート(肩から裾に向かってアルファベットの「A」のように広がるシルエット)や、ストレートシルエットのパンツは、洗練された印象を与えます。
3. 状態の良さを重視する
オフィスで着用する古着は、清潔感と品の良さが求められます。 * ダメージの確認: 目立つシミ、破れ、ほつれ、色褪せは避けるべきです。特に首元、袖口、脇下など、肌に触れる部分の状態は入念に確認してください。 * ボタンやファスナーの機能性: 欠損や破損がないか、スムーズに開閉できるかを確認します。予備のボタンが付属しているものだと、長く愛用できるでしょう。 * 生地の毛羽立ちや型崩れ: 特にニットやジャケットは、毛羽立ちや型崩れが目立ちやすい傾向があります。購入前に丁寧にチェックし、着用時にだらしない印象を与えないものを選びます。
オフィスで活躍する古着アイテムとその選び方
具体的なアイテムを想定しながら、選び方のポイントを見ていきましょう。
トップス
- ブラウス:
- 素材: シルク、レーヨン、上質なコットン、ポリエステル。とろみのある素材や、光沢が控えめなものが上品です。
- デザイン: 無地、細かなストライプ、小紋柄。フリルやギャザーが控えめなものを選び、色味はベーシックカラーやパステルカラーが好ましいでしょう。
- ポイント: シワになりにくい素材だと、デスクワークでも安心です。
- ニット・カーディガン:
- 素材: ウール、カシミヤ、アクリルなどのハイゲージニット(細い糸を高密度に編み込んだニットで、上品で滑らかな質感が特徴)。
- デザイン: クルーネック、Vネック、ボトルネックなど、シンプルなデザイン。カーディガンは着丈が長すぎず、コンパクトなシルエットがオフィス向きです。
- ポイント: 目立つ毛玉がないか、着用感が少ないかを確認します。
ボトムス
- スラックス:
- 素材: ウール、ポリエステル混紡。程よい厚みがあり、センタープレスがきちんと入る素材が最適です。
- デザイン: ストレート、テーパード、ワイドすぎないセミワイドシルエット。色はネイビー、グレー、ベージュなどが定番です。
- ポイント: 丈直しがされていないか、ウエストやヒップのサイズがご自身に合っているか、試着で確認することが重要です。
- スカート:
- 素材: ウール、ポリエステル、リネン混紡。
- デザイン: タイトすぎないAライン、フレア、プリーツスカートなど、膝下丈のものが望ましいです。柄物を選ぶ際は、小花柄やチェックなど、落ち着いたものを選びます。
- ポイント: 歩いた時に生地が広がりすぎないか、座った時のシワのつきやすさなども考慮すると良いでしょう。
ジャケット・アウター
- ジャケット:
- 素材: ウール、ツイード、リネン。季節に合わせた素材を選びます。
- デザイン: テーラードジャケットが基本ですが、ノーカラージャケットも上品です。色味はベーシックカラーで、派手な装飾のないものを選びましょう。
- ポイント: 肩幅や袖丈が合っているか、着丈が長すぎないか、試着で確認します。
- アウター:
- 素材: コットン、ウール。
- デザイン: トレンチコート、ステンカラーコート、チェスターコートなど、クラシックなデザインはオフィスにも馴染みます。
- ポイント: 全体的に使用感が少なく、裏地やボタンなども含めて状態が良いものを選びます。
「一点物」古着を上品に着回すスタイリング術
一点物の古着は、その個性ゆえに「着回しが難しい」と感じられるかもしれません。しかし、いくつかのコツを掴めば、手持ちのアイテムと組み合わせながら、オフィスでも活躍する洗練された着こなしが可能です。
1. 基本は「引き算」コーデ
個性的な一点物の古着を主役にする場合、他のアイテムはシンプルでベーシックなものを選ぶ「引き算」の考え方が有効です。 * 色味を抑える: 古着の色が鮮やかな場合は、他のアイテムはモノトーンやニュートラルカラー(白、黒、グレー、ベージュなど)で統一し、上品な印象を保ちます。 * 柄同士の組み合わせを避ける: 柄物の古着を取り入れる際は、他のアイテムは無地を選ぶのが基本です。どうしても柄を組み合わせたい場合は、柄のトーンやサイズ感を合わせるなど、高度なテクニックが必要になるため、最初は避けるのが賢明です。
2. 小物使いで洗練度アップ
小物(バッグ、シューズ、アクセサリー)は、全体の印象を大きく左右します。 * 上質な小物を選ぶ: 古着のカジュアル感を抑え、オフィススタイルに馴染ませるためには、革製のバッグやパンプス、シンプルなアクセサリーなど、上質な小物を選ぶことが重要です。 * 統一感を意識する: 小物の色味を合わせたり、全体のコーディネートに統一感を持たせたりすることで、洗練された印象になります。
3. 具体的なコーディネート例
読者の方々がイメージしやすいように、具体的な組み合わせをいくつかご紹介します。
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例1:ヴィンテージブラウスを主役に
- アイテム: ベージュのヴィンテージシルクブラウス(またはポリエステル素材の落ち感のあるもの)、ネイビーのセンタープレススラックス、黒のポインテッドトゥパンプス、シンプルなゴールドのネックレス。
- ポイント: 上品な素材感のブラウスを選ぶことで、オフィスにふさわしい華やかさを演出。スラックスとパンプスで全体を引き締め、アクセサリーで洗練度を高めます。
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例2:ツイードジャケットで知的な印象に
- アイテム: 淡い色のツイードジャケット、白のクルーネックTシャツ(または薄手のニット)、黒のAラインスカート、ショートブーツ。
- ポイント: ツイードジャケットのクラシックな雰囲気を生かしつつ、インナーはシンプルに。スカートとブーツの色味を合わせることで、脚長効果も期待できます。
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例3:上品な柄物カーディガンでアクセントを
- アイテム: 落ち着いた色味のチェック柄ウールカーディガン、白のシンプルなシャツ、グレーのストレートパンツ、ローヒールパンプス。
- ポイント: 柄物のカーディガンは、羽織るだけでこなれた印象に。インナーとボトムスはプレーンなものを選び、カーディガンの個性を引き立てます。
4. オフィスカジュアルにおける「抜け感」の出し方
堅苦しくなりすぎず、程よいリラックス感を出す「抜け感」も、オフィススタイルを上品に見せるコツです。 * 素材の組み合わせ: 全てをかっちりとした素材で固めるのではなく、例えばウールジャケットにコットンのブラウスを合わせるなど、異素材を組み合わせることで軽やかさが出ます。 * シルエットの緩急: 上下どちらかにゆとりを持たせ、もう一方をすっきりとさせることで、バランスの取れた着こなしになります。ただし、過度なリラックス感はオフィスには不向きなため、全体のバランスを見極めることが重要です。
古着選びで失敗しないための最終チェックポイント
一点物の古着だからこそ、購入前の最終チェックは特に重要です。後悔しない買い物をするために、以下の点を必ず確認してください。
- 試着の徹底:
- 必ず試着し、シルエット、着丈、袖丈が自分に合っているかを確認します。オフィスでの着用を想定し、座ったり、腕を上げたりして、動きやすさもチェックしましょう。
- 「サイズ表記はあくまで目安」と考え、実際に着てみて体型に合うかを見極めることが大切です。
- 状態の再確認と許容範囲の判断:
- 自然光の下で、シミ、汚れ、ほつれ、毛玉などのダメージがないか、もう一度細かく確認します。
- 古着である以上、多少の経年変化は避けられません。どの程度のダメージなら許容できるか、オフィスで着用するに足る状態であるかを慎重に判断してください。小さな汚れや縫製の甘さは、プロの手によって修繕可能かどうかも考慮に入れると良いでしょう。
- 信頼できるショップ選び:
- 商品の状態を丁寧に説明してくれる、質問に的確に答えてくれるショップを選ぶことが重要です。オンライン購入の場合は、詳細な商品画像や説明文が充実しており、返品・交換ポリシーが明確なショップを選びます。
- 迷った際は、信頼できるショップの店員さんに相談してみるのも良い方法です。客観的なアドバイスが得られるかもしれません。
- メンテナンスの考慮:
- 購入を検討している古着が、ご自身で手入れできる素材か、クリーニングが必要かを確認します。特にヴィンテージのシルクやウールなどは、特殊なケアが必要な場合があるため、購入前にケア方法を把握しておくことが後々の後悔を防ぎます。
古着ライフを楽しむための心構え
古着選びは、時に運命的な出会いをもたらします。一点物だからこその個性と、それを自分らしく着こなす喜びは、古着ならではの醍醐味です。
「こうあるべき」という固定観念にとらわれず、様々な古着に挑戦することで、ご自身の新しいスタイルを発見できるかもしれません。小さな失敗は学びと捉え、完璧を求めすぎずに、古着と共に経年変化を楽しみながら、あなたらしいオフィススタイルを築いていってください。
Furu-Fuku Compassは、古着を通じてあなたのファッションの可能性が広がることを願っています。